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森寛斎自筆『月に杜鵑図』掛軸(極箱)

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月に杜鵑(ホトトギス)という、画人が好んで取り上げてきた画題です。ホトトギスは夏鳥で、俳句の世界では夏の季語とされています。古来より、春のウグイスとならんで、その鳴き声が季節の初音とされ5月5日頃の立夏(りっか)から好んで使われております。落款は『明治六年茅五月寛斎森公粛寫』として印が捺されております。箱は極箱になっており書き手は不明ですが、箱蓋表に『公粛森翁月ニ杜鵑図條幅』、蓋裏には大正甲子年に極めたことが記されております。大正甲子とは大正13年(1924)のことです。近くで観察すると判りますが一文字(下側)が若干(1㎜程度)浮いております*写真⑩。軸先は人工のものではなく天然の素材が使用されております写真⑪。

美術家名鑑評価額700万円。

絹本。極箱。軸先(天然素材)。

長さ172㎝ 幅23.4㎝

▢森寛斎(もりかんさい)
文化11年(1814)~明治27年(1894)
絵師。円山派。帝室技芸員。京都府画学校教授。長州藩士石田伝内道政の三男。22歳の時、大坂に出て徹山に師事。25歳の時、見込まれて徹山の養子になり、円山派の画風を明治時代に伝えた。塩川文麟歿後、如雲者の代表に推され、多くの門人を養成した。京都に住み、幕末には勤皇の志士と交わった。代表作『松間瀑布』『赤壁の図』『月前葡萄り栗鼠図』『楠木正成像』『京都名所四季図屏風』

【参考文献】
落款花押大辞典 淡交社
二十四節気で親しむ茶の湯の銘 淡交社
美術家名鑑 美術倶楽部

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カテゴリー:ホビー・楽器・アート>>>美術品・アンティーク・コレクション>>>絵画
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